経営者が知っておきたい用語と手法④「アンカリング効果」

経営者が知っておきたい用語と手法④「アンカリング効果」

売る側が使う心理テクニック「アンカリング効果」とは。

「アンカリング効果」とは、最初もしくは同時に提示された特定の特徴や数値(価格)、情報が印象に強く残ってしまい、意思決定や判断に影響をおよぼす傾向のことです。

例えば、テレビの商品紹介番組において、「39,800円が今なら19,800円!」というような、価格を二段構成にして提示する場合があります。実はこの39,800円という値付けによって、19,800円は際立ってお得感を出すことができます。

購買心理は、情報が十分にそろっていない場合に、特定の特徴や情報の断片を重視しすぎる傾向にあります。このヒトの心理の特徴をうまく活用しているのが、「アンカリング効果」です。これは、前述の価格の割安感に限ったことではありません。

例えば、住宅の物件内覧販売のシーンで、相当好感触でありながら、躊躇している顧客への値引き価格の提示やタイミングに「アンカリング効果」を応用できます。今ならこの価格で対応できます、契約に持ち込みます。
筆者は、住宅の購入において別な「アンカリング効果」によってその場で購入契約した経験があります。当時20代と若かったこともあってか、住宅としては狭小で日当たり等の住環境も充分でない物件に連れて行かれました。他を当たりますと辞退したところ、すぐ近くに別な物件もありますので、これから見に行かれませんか、と勧められ次の物件の内覧をしました。最初がガッカリの物件だったものですから、とても良い物件に思え、その場で契約したことを思い出します。

ヒトの購買における意思決定では、最初に価値判断のおおよその基準を設定して、その後の判断を調整する傾向にあります。価値判断基準を設定するための情報が十分に無い状況では、最初に着目した情報や数値のために判断基準にバイアスがかる傾向にあります。

広告・販売戦略に生かしたい手法(用語)でが、価格表示の場合は二重価格(景品表示法に違反するおそれ)にならないように十分注意しましょう。

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