経営者が知っておきたい用語と手法⑤「ハロー効果」

経営者が知っておきたい用語と手法⑤「ハロー効果」

売る側が使う心理テクニック「ハロー効果」とは。

「ハロー効果」とは、ある対象を評価する際、対象者の目立つ特徴にひっぱられ、その他についての評価にバイアスがかかり歪んでしまう現象の事を指します。
心理学用語で認知バイアスや後光効果、ハローエラーとも称されます。
ハロー効果は、対象評価においてポジティブにもネガティブにも影響します。

例えば、以下のような心理現象が起こり得ます。
ある会社の研究員がノーベル賞を取ったというニュースに触れると、当該会社の研究員がみな優秀である、製品の品質がみな秀逸という印象を持ちがちです。
他にも営業担当者の身なりがよくて紳士的な対応であれば、会社そのものに信頼を置くことがあります。

一方で、以下のようなネガティブな心理現象も起こすことがあります。
肉付きが良く多汗体質の男性営業担当を観ただけで、食べ過ぎが原因の体系で、その上に自己管理能力が低い人だと、勝手に捉えたりします。
店舗対応が粗雑だったり電話問合せが待たされたりすると、この会社のすべての商品や社員を悪く感じてしまうことがおおいのです。
悪い印象を持ってしまうと第三者にまで「あそこの商品最悪!」などと根拠のない悪口を言う人も少なくありません。

日本には「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」という古いことわざがあります。
この様に強い印象や特徴ですべてを判断してしまうという心理現象は昔からあるようです。

ハロー効果の影響は、二つの側面で活用します。
先ずは、自身の判断が「ハロー効果を受けていないか」とクリティカルに分析します。つまり、一側面しか見てなくて判断して良いのかと自信に問います。

次に、小さなことと思えることでも全体に評価されるという危機感を持ちます。
近時のニュースでは「赤坂自民亭」がありますね。
有権者から国政運営を付託された議員が懇親を深めより良い政治を行うのは、基本的には良いことですが、SNSではしゃぐことではないですね。

もちろん一事が万事、ということわざがある通り、担当者の対応が悪い、自分が考える商品と価格に大きな乖離がある、そうした場合には否定的な立場をとります。
しかし、大きな買い物をする際には判断を焦っては良いことはありません。
先入観をできるだけ削って事実を捉えて価値判断する力を持ちたいものです。

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執筆者紹介
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杉田利雄
(株式会社エム・エム・プラン代表取締役・BFCA経営財務支援協会 会長)
大手コンピューター企業でシステム開発・支店長を歴任後独立。
2002年にJSK事業再生研究会(現・事業戦略研究会)を立ち上げ、会計事務所等の
士業ネットワークを通した中小企業経営支援全国ネットワークを構築。
「ターンアラウンドの基礎と実務」、「事業再生学」など著書多数。
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