経営者が知っておきたい用語と手法③「バンドワゴン効果」

経営者が知っておきたい用語と手法③「バンドワゴン効果」

売る側が使う心理テクニック「バンドワゴン効果」とは。

「バンドワゴン」とはデモや楽隊などの行列の先頭を行く、音楽隊や楽隊車を指す言葉です。また「バンドワゴンに乗る」とう表現もあり、この語意は「時流に乗る」「勝ち馬に乗る」ということです。「バンドワゴン効果」は、経済学・政治学・社会学などで時々使われる表現で、対義表現として「アンダードッグ効果」があり、判官贔屓(ほうがんびいき)に近い心理状態を指します。

みんなが持っているから私も欲しい。
→ スマホやタブレットPC
流行っているものが気になって仕方ない。
→ 仮想通貨やIoT
あのラーメン屋は行列ができているから美味しいに違いない。
→ ミシュランガイドやテレビで放映された○○○店

こんな心理状況を経験したことはありませんか?
多くの人が選んだものは、正しい評価で、自分もその行動に合わせようとする心理状態です。この心理を掴んで、自社の販売拡大、市場拡大に利用したいものです。

テレビやラジオの通販番組で、商品PRを散々した後に「放映後の2時間だけ、オペレーターの数を倍にしてお待ちします」とういものや、「ものすごい量のオーダーが入っています」とMCやキャスターが反響を採り上げる行為です。

八百屋さんやスーパーで「○○○は残りこれだけ。売り切れです」とやっているのも知らず知らずに「バンドワゴン効果」を期待したものでしょう。

経済学者、ライベンシュタインは、1950年に論文において他にも大衆の購買心理について論じています。論文「消費者需要理論におけるバンドワゴン効果、スノッブ効果、およびヴェブレン効果」では、バンドワゴン効果、スノッブ効果、ヴェブレン効果という三つの概念を提示しました。

バンドワゴン効果は、前述の通りで、他者との同質化願望が背景にあり、多くの流行やヒット商品にバンドワゴン効果が作用していると考えられます。

スノッブ効果とは、「他人とは違うものが欲しい」という心理が働き、簡単に入手できないほど需要が増し、誰もが簡単に入手できるようになると需要が減少する傾向を指します。他者との差異化願望が背景にあり、限定性や希少性が価値を持ちます。

ヴェブレン効果は顕示効果ともいい、「見せびらかし」の消費(顕示的消費)行動を言います。高額ブランドを購入する心理の説明としてよく使われています。

広告・販売戦略に生かしたい手法(用語)ですね。

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執筆者紹介
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杉田利雄
(株式会社エム・エム・プラン代表取締役・BFCA経営財務支援協会 会長)

大手コンピューター企業でシステム開発・支店長を歴任後独立。
2002年にJSK事業再生研究会(現・事業戦略研究会)を立ち上げ、会計事務所等の
士業ネットワークを通した中小企業経営支援全国ネットワークを構築。
「ターンアラウンドの基礎と実務」「事業再生学」など著書多数。
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