経営者が知っておきたい用語と手法①「ウィンザー効果」

経営者が知っておきたい用語と手法①「ウィンザー効果」

売る側が使う心理テクニック「ウィンザー効果」とは。

心理学の用語のひとつなのですが、本人からの情報よりも、第三者から伝え聞く言葉重きを置く傾向です。いわゆる「うわさ話」を、より信じたくなるという心理効果のことです。

「ウィンザー効果」という言葉を聞いたことがなくても、私達の利用するビジネスで利用されている手法です。例えば、Amazonには商品ごとに★の数(MAX5星)やカスタマーレビューの表示があります。皆さんはこの★やレビューが気になりませんか? ★の数が高い方やレビューが良いものを選ぶ傾向にあります。他に食べログなどでも、お店の★を数値化しています。3.5以上を目安にしている人が多いようです。

多くの人は、商品のレビューで良い評価がされていると安心し、結果として選択の判断基準に影響を及ぼします。このように、第三者の意見を参考に判断する心理状況を「ウィンザー効果」と呼びます。

例えば、AさんからBさんに「わたしはあなたを頼りにしている!」と伝えるより、
Cさんから「Aさんはあなたに絶大な信頼を置いている」と伝えられる方が“信頼”を強く感じる傾向があります。

ウィンザー効果は、直接利害関係がない関係者間で機能しやすいと言われています。自分自身と全く関係がない方々や大人数の集団の意見は、効果が増します。

しかし、かつて食べログで問題になった「ステマ(ステルスマーケティング)」にも注意が必要です。レビューやその際の★の数は、利用者が書き込む場です。これを、店舗や企業側が恣意的に好意的なコメントを載せることでウィンザー効果を狙う問題行動があります。本来のウィンザー効果を高めるうえでも慎みたいものです。また利用者は、好意的な意見よりも否定的な意見に人は引っ張られる傾向があることも知っておきましょう。

ウィンザー効果を利用したステマや似非(えせ)情報に騙されないためには、一次情報を得ることです。直接ユーザの意見を聞くのが一番です。アンケートを取るのも有効です。大型商品であれば、ユーザ訪問も考えたいですね。
収集した意見や情報には、誹謗中傷を含め、ノイズも多いことも理解しつつ、情報を選別した上で、ウィンザー効果についてどのように活用するかは。自分で判断する能力が求められています。読者の方々の慧眼に期待します。

~~~~~~
執筆者紹介
~~~~~~
杉田利雄
(株式会社エム・エム・プラン代表取締役・BFCA経営財務支援協会 会長)
大手コンピューター企業でシステム開発・支店長を歴任後独立。
2002年にJSK事業再生研究会(現・事業戦略研究会)を立ち上げ、会計事務所等の
士業ネットワークを通した中小企業経営支援全国ネットワークを構築。
「ターンアラウンドの基礎と実務」「事業再生学」など著書多数。
~~~~~~

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

コメント

お名前 *

ウェブサイトURL

CAPTCHA