◆コンサルタントが知っておくべきビジネス用語⑩◆「CHO」=チーフ・ヘルス・オフィサー

◆コンサルタントが知っておくべきビジネス用語⑩◆

「CHO」=チーフ・ヘルス・オフィサー

今回のキーワードは「CHO(Chief Health Officer)」です。

バブル期の真っ只中(1988年)に発売開始された栄養ドリンク「リゲイン」
のCMを覚えてますか?

ビジネスパーソンをターゲットにした飲料で、以下のキャッチコピーです。
「24時間戦えますか~、ビジネスマーン、ビジネスマーン、
ジャパニーズ、ビジネスマーン」
このころは、皆が体を犠牲にしてでもよく働きました。

しかし、バブル崩壊後は失われた10年とも、20年とも言われ、
社会の流れが大きく変わりました。
2013年には「ブラック企業」というキーワードが流行語大賞を受賞し、
昨年(2016年)は電通の過労死が問題視されました。

過酷な日本の労働を象徴する社会の流れですが、いずれにしても多くの
日本人は非常によく働く、という実績やイメージがあります。

一方で、昨今は「ワークライフバランス」や、「プレミアムフライデー」といった
キーワードが巷の話題になりました。より生活を豊かなものにするために、
休みを取りましょう、という社会の潮流があります。

しかし、中小企業においては人材が一人でも欠ければ会社が傾くかもしれない。
あるいは、社長が倒れたらこの会社は終わりかも、といった状況が伺えます。
つまり、そう簡単にもっと休みを取りましょう、という環境ではないようです。

日本人はそもそも働き者だという一般的な評価通り、実際身を粉にして
働くことが習慣化している方が多いのが現実と思えます。
そんな日本に欧米的なコンセプトはあまりそぐわないと著者は考えます。
ワークライフバランスにしても、働くことに比重が高いことでバランスしている
という方も多くいらっしゃいます。

そこで重要なのが「健康な状態で働くことができる」という点です。
経営者含め、社内で重要なポジションに付く人こそ、健康にコストを掛ける必要が
あると考えます。健康診断をするのを強制するとか、ストレスチェックをすると
いった仕組みに任せるのではなく、「未病」の概念を持ち込み、変調を自ら気づく、
感じることができるようになることです。未然に大病を避けることが重要です。

そのかじ取りをするのが「CHO(Chief Health Officer)」です。
昨今注目を浴び始めている考え方で、企業によって役割は異なりますが、
一般的には社員の健康を管理するポジションです。

具体的には、規模が大きい企業であれば、社員食堂に栄養バランス等健康に
配慮したメニュー開発を行ったり、社員の食生活を把握しての改善サポートを
行ったりします。

中小企業はそこまでできないのであれば、2か月に1回程度、食生活や生活習慣について
ヒアリング、カウンセリング、指導できるといいでしょう。
社内にそういった人材がいなければ管理栄養士さんに委託してもいいかもしれません。
他にも、マルチビタミンなど、医師と相談してサプリメントを提供してもいいでしょう。
それぞれの企業ができる範囲で実行することが重要です。

少子高齢化が加速度的に進んでいます。今後、益々労働人口が減る中で、
今までのように顧客第一主義では事業が困難になっていきます。
必ず社員第一主義の時代がやってきます。むしろ、すでにやってきています。
企業が持続可能であるために、CHOの設置を検討してはどうでしょうか。

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執筆者紹介
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山本広高
(BFCA経営財務支援協会 取締役)

群馬大学工学部大学院卒業後渡米し、フロリダ国際大学にてMBA取得。
外資系コンサルティング会社にてERP導入などITコンサルティングに従事。
退職後、経営財務支援協会取締役、株式会社THINCESS代表取締役に就任。
大企業から中小零細企業まで規模、業種を問わず、事業計画策定や、
サービス開発のプロジェクトに携わっている。
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