◆コンサルタントが知っておくべきビジネス用語⑧◆「ブレスト+ドット投票」

◆コンサルタントが知っておくべきビジネス用語⑧◆

「ブレスト+ドット投票」

今回のキーワードは「ブレスト+ドット投票」です。

ブレストという単語はみなさんご存知だと思います。
ブレインストーミングの略で、会議の中でアイデアを出し合う手法の一つです。
ある問題や課題に対して参加者が自由に発想して対話を重ねます。
そうすることで一人で発想できない領域に複数の参加者の発想が加わります。
会議の進行は、議論や討論でなく、対話であることがポイントです。

一方で、ブレストにはマイナスのイメージを持たれている方も多いようです。
出されるアイディアのレベルが質より量というイメージが強く、ブレストしても
結局何も生まれない。他にも、以下のような否定論もあります。
・いくつもアイデアを出すけれども、どれも実現不可能なものばかり
・ブレストしたけど、次に何をすればいいのかわからない

もし上記のような経験があるならば、ブレストのやり方が間違っているからです。
ブレストだけでなく、会議はすべて発散と収束で成り立たさなければなりません。
収束をきちんとしないと上記のように「ふわっと」した終わり方をしてしまうのです。

また、上記の問題を起こさないように対話を前に進めるファシリテーターの役割を
担う人物の存在も重要です。
ファシリテーター自身が意見を出すこともありますが、対話が発散しすぎないように
テーマに戻したり、最後にきちんと収束させることができる人物が求められます。

私の尊敬する会議の達人がいます。
彼は会議を人が交わる空間として捉え、絶妙なタイミングで発言を拾い、膨らませます。
対話の中でみんなが納得する方向性に結論を落とし込んでいきます。
その能力は羨ましくもあります。

ここ会議の達人のようなファシリテーション能力を発揮することは簡単ではありません。
そこで、ブレストの後に行うドット投票という手法をご紹介します。

<ブレスト+ドット投票の進め方>
1.準備
ブレストの際にしばしば使われるツールとして付箋があります。粘着力のある紙です。
それに加え、商品名で言うと、マイタックラベルの丸いシールを用意します。
直径1cm程度の小さい丸いシールです。

2.ブレスト
ブレストの際には付箋にアイデアを幾つも書き出して壁や大きな紙に張り付けます。
これから1時間で目標30個アイデアを出す!と決めて始めるのもいいかもしれません。

3.ドット投票
ブレストで出てきたアイデアに対して、一人5票や3票と決めてアイデアに票を投じます。
もちろん面白いアイデアには票が集まります。
注意点として、力のある人が投票を誘導するようなことは止めます。
結果として最終的な合意が取りづらいのでやるべきではありません。

ドット投票の結果、アイデアの上位3から5つを抽出します。
これを次の議題として更に議論を加えるという方法です。
ドット投票の抽出は、誰しもが第一段階の議論が収束した、と感じる瞬間です。

ブレストを使った会議には型があります。
その型を知れば時間を短縮することも、発想を引き出すことも出来ます。
ただし、ブレストを成功させるの条件として一時的に全員がフラットな関係に
なることです。
前述の通り誰かひとりの意見に引っ張られるとブレストは一気に機能しなくなります。
当たり前ですが、参加者の意見を傾聴できること、お互いを尊敬することがなければ
ブレストは失敗します。

ブレスト+ドット投票をうまく活用することで、新サービスや新商品開発の
足掛かりになります。
ぜひ活用してみてください。

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執筆者紹介
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山本広高
(BFCA経営財務支援協会 取締役)

群馬大学工学部大学院卒業後渡米し、フロリダ国際大学にてMBA取得。
外資系コンサルティング会社にてERP導入などITコンサルティングに従事。
退職後、経営財務支援協会取締役、株式会社THINCESS代表取締役に就任。
大企業から中小零細企業まで規模、業種を問わず、事業計画策定や、
サービス開発のプロジェクトに携わっている。
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