◆コンサルタントが知っておくべきビジネス用語⑦◆「デザイン思考」

◆コンサルタントが知っておくべきビジネス用語⑦◆

「デザイン思考」

今回のキーワードは「デザイン思考」です。

デザインと言うと、グラフィックデザインや、パッケージデザインを
思い浮かべますが、デザイン思考とは、ビジネスの現場にデザインを
考えるようなアプローチで新商品開発に活かす手法のことです。

アップル社の初期マウスやPalmをはじめ、数々の世界的企業との仕事で
知られる、デザインコンサルティングファーム IDEO(アイデオ)が体系
立てた手法で、数々の実績があります。

具体的な手法はここでは触れず、彼らが行うアプローチの例だけ説明します。

例えば、身近なモノである「携帯(スマホ)」に関してイノベーションを
起こしたい、と考えましょう。
スマホの機能の強化や、高速通信における速度向上がイノベーション
でしょうか?
サービスの強化や機能の強化は本質的な人々の欲求をもはや満たせないと
言えるでしょう。但し、スマホにペタバイトのデータ保管できるようになる、
とかそういったブレイクスルーはイノベーションと言えるかもしれません。

デザイン思考の考え方でアプローチしてみましょう。
幾つかのやり方があるのですが、その中の一つで考えてみます。
スマホが持つ機能や役割、形状や感触などを洗い出します。

例)
・通話
・音楽再生
・インターネット
・メール
・画面
・硬い
・軽い
・携帯性

ではこの洗い出したものの反対の機能を考えてみましょう
例)
・通話しなくても考えていることがお互い理解できる
・メールをしなくても伝わる
・液晶がない
・持ち歩かない

発想の転換によってイノベーションの片鱗が見えてきます。
この機能を持つような携帯ってどんな携帯でしょうか?
液晶がなくても、VRの技術や手に画面が表示される携帯が考えられるかも
しれません。
メールも自動読み上げされて頭に入り、声に出したものが文章化されて
メール送信できるかもしれません。
携帯という物体を持ち歩かなくても、携帯が時計の一部になっているかも
しれません。

デザイン思考ではこういった発散した発想から収束させて
とりあえずプロトタイプを創ってみる!というステップを踏みます。
どんなにライトなものであっても具現化させると課題や問題が見えてきます。
こうしたアプローチがデザイン思考の特徴です。

しかし、現実的にデザイン思考を取り入れたからといって必ずしも社内で
イノベーションが幾つも起きるか、というとそうでもありません。
デザイン思考はツールであり、テクニックの一つでしかないので、
やはり内部の人間関係や、優先順位があり、前に進められない、
という声を聞きます。

そのため、イノベーションを起こす!という気概溢れる人材が
活躍できる環境を用意するのが最も重要なポイントです。

コンサルタントにはクライアントの方々に”指導”する、という立ち位置で
なく、イノベーションを起こすための伴奏者になる、という感覚が必要なの
かもしれません。

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執筆者紹介
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山本広高
(BFCA経営財務支援協会 取締役)

群馬大学工学部大学院卒業後渡米し、フロリダ国際大学にてMBA取得。
外資系コンサルティング会社にてERP導入などITコンサルティングに従事。
退職後、経営財務支援協会取締役、株式会社THINCESS代表取締役に就任。
大企業から中小零細企業まで規模、業種を問わず、事業計画策定や、
サービス開発のプロジェクトに携わっている。
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