◆コンサルタントが知っておくべきビジネス用語④◆ 「サステナビリティ」

◆コンサルタントが知っておくべきビジネス用語④◆

「サステナビリティ」

今回のキーワードは「サステナビリティ」です。

サステナビリティとは、WikiPediaに次のように示されています。
「持続可能性(じぞくかのうせい、英: sustainability)とは、一般的には、
システムやプロセスが持続できることをいうが、環境学的には、生物的な
システムがその多様性と生産性を期限なく継続できる能力のことを指し、
さらに、組織原理としては、持続可能な発展を意味する」。

1987年、国連の「環境と開発に関する世界委員会」が発表した報告書
「われら共通の未来」がきっかけで、サステナビリティが注目され始めました。
同報告書では、次世代が享受する経済的、社会的な利益を損なわない形で資源を
利用していく「持続可能な開発」が提唱されました。
1992年の「環境と開発に関するリオ・デ・ジャネイロ宣言」でサステナビリティの
基本理念が具体化されたと言われています。

今日の企業は、環境・雇用・社会・財務などの様々な観点からサステナビリティを
意識した取り組みを行うことでの、社会的責任を果たすことが求められています。

ここでは例として味の素グループの企業理念を見てみましょう。

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「皆様とともにつくる、サステナブルな食の未来」
味の素グループは、食を通じて「人」の暮らしを健やかなものに変えると同時に、
「地球」がより健やかに持続することにもつながる事業活動を目指しています。
http://www.ajinomoto.com/jp/activity/
★———————————————————————–

同グループの具体的な取り組みがWebで次のように公開されています。
http://special.nikkeibp.co.jp/atclh/MOM/15/ajinomotoforum/

「食物生産においては新しいテクノロジーを採用する。加工・流通の現場では
食品廃棄物の削減を徹底する。小売店は、 “おまけにもう1個つける” などの
売り方をやめ、消費者も消費しきれない分まで手に入れようとしない。そして
食べ方を変える。赤みの肉は野菜と比べ、何倍もの土地や水など資源を必要と
します。野菜中心の食事にすれば環境負荷は低減され、健康にもいいですね」

あるフォーラムでの発言ですが、企業の取組が明確化されております。環境、
そして循環型社会を意識した姿勢と、実際に活動している様子をうかがい知る
ことができます。

多くの中小企業にとっては、“生き残ること”が最重要、且つ最優先事項となる
のは仕方ないですが、このサスラナブルへの対応も考えたいところです。

一方で、利益追求型のビジネスモデルに対して“その事業はサステナブルか?”と
いう問いをする場合があります。
この問いは、事業そのもに持続可能性があるのか!?という問いを投げかけるのです。

例えば、補助金や助成金を新しい事業を起こしたり、サービスを立ち上げる上で、
活用することがあります。
最近では、ものづくり補助金や、NEDOが提供する新エネルギーに関する補助金が
人気です。しかし、これらの補助金なしでは事業が成立しないという状況では
持続可能があるとは言い難いですね。言い方を替えると、補助金漬けによって
成立しているような事業では、サステナブルでない、と言わざるを得ないでしょう。
また、法律の隙間を狙ったビジネスや、短期的な収益を追い続けるビジネスモデルも
同じようにサステナブルでないと考えられます。

サステナビリティとは、環境を意識した循環型社会形成のために元々使われてきた
単語ではあります。しかし、そもそも事業そのものが持続可能か、という使われ方も
されています。
経営に携わる方々は常に広義でのサステナビリティを意識したビジネスを考える必要が
あるでしょう。

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執筆者紹介
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山本広高
(BFCA経営財務支援協会 取締役)

群馬大学工学部大学院卒業後渡米し、フロリダ国際大学にてMBA取得。
外資系コンサルティング会社にてERP導入などITコンサルティングに従事。
退職後、経営財務支援協会取締役、株式会社THINCESS代表取締役に就任。
大企業から中小零細企業まで規模、業種を問わず、事業計画策定や、
サービス開発のプロジェクトに携わっている。
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