少し前になりますが友人から「サボタージュ・マニュアル」という、組織をサボタージュ(ダメにする)ための諜報活動について聞いて驚いた。
サボタージュ、マニュアルは、第二次世界大戦中に発達したアメリカの「諜報組織:OSS」が作成したものらしい。
OSSは、被占領下のドイツに対して、日常生活や仕事上のサボタージュ方法を配付していたようです。
この本は、このサボタージュマニュアルの和訳と、サボタージュ方法を現代の組織心理学で分析したもの。
組織をダメにするためのマニュアルをスパイが配布し、市民や労働者がマニュアルを実行することで、組織をダメにする。
戦後日本の再成長を抑制する目的があったとも言われる。
興味深い部分を以下に抜粋します。なにか、日本の管理部門や本部組織が「サボタージュ・マニュアル」を実践していると思いたくなる内容ですね。
今回の、トランプ大統領の選出と言い、アメリカは面白い国ですね。
驚くほど仕事が進まない!! 組織を破壊する「サボタージュ・マニュアル」
<会議について>
「スピーチ」を行え。できる限り頻繁に長い話をすること。長い逸話や自分の経験を持ちだして主張のポイントを解説せよ
できる限り頻繁に無関係なテーマを持ち出すこと
可能な限りの事象を委員会に持ち込み「さらなる調査と熟考」を求めよ。委員会のメンバーはできるだけ多く(少なくとも5人以上)すること
<指示・連絡について>
常に文書による指示を要求せよ
誤解を招きやすい指示を出せ。意思統一のために長時間議論せよ。さらに出来る限り不備を指摘せよ
もっともらしくペーパーワークを増大させよ
高性能の道具を要求せよ。道具が悪ければ良い結果が得られないと警告せよ
準備を十分行い完全に準備ができているまで実行に移すな
すべての規則を隅々まで厳格に適用せよ
<教育、育成について>
些細なことにも高い完成度を要求せよ。わずかな間違いも繰り返し修正させ小さな間違いも見つけ出せ
新人を訓練する際は不完全でいい加減な指示を与えよ
能力に見合わない不釣合な昇進を行い有能な者は冷遇せよ
<意思決定について>
常に些細な仕事からとりかかれ。重要な仕事は後回しにせよ
重要な決定を行う際には会議を開け
通達書類の発行や支払いなどに関係する決済手続きを多重化せよ。すべての決裁者が承認するまで、仕事を進めるな
何事をするにも「通常のルート」を通して行うように主張せよ。決断を早めるためのショートカットを認めるな
あらゆる決断の妥当性を問え。ある決定が自分たちの管轄にあるのかどうか、また組織上層部のポリシーと相反しないかどうかなどを問題にせよ
「警告」せよ。他の人々に「理性的」になることを求め、将来やっかいな問題を引き起こさないよう早急な決断を避けるよう主張せよ
以前の会議で決まったことを再び持ち出し、その妥当性について改めて問い直せ
議事録や連絡用文書、決議書などにおいて細かい言葉遣いについて議論せよ
以上